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【2次創作】WIXOSSアン小説4

第1話を読んでいない方はこちら↓からどうぞ。

aisakayo.hatenablog.com

 

 翌日、ジャンヌを革製のパスケースに入れると、ブレザーのスカートに入れて登校し、放課後、帰宅すると、ジャンヌが口を開いた。

「学校ではいじめられているの?」

「私はアリス役の3年生を傷つけた黒幕っていう扱いだわ。今でも演劇部は活動休止状態で、いつ再開するかも分からないの。萌は私のアリス姿をとても見たがっていた。……私のせいなのかしら」

「違う」

 ジャンヌはきっぱりと言い、続けた。

「萌は弱くて、勝手だった。だから……」

「何?」

「別に」

 ジャンヌはそれから言葉を発しなかった。

 

 三週間後には萌と被害者の間で示談が決まったとして、萌が登校してきた。やはり愛らしさが消えていたが、周囲は気付いてはいないようだった。

 何故、他人はこの些細な変化に気付かないのだろうと杏は不思議で仕方ないが、それだけ萌が自分に懐き、長い時間を過ごしたということなのだろうか。

 萌は杏を見つけると、大勢の生徒たちの前で、

「あの人に、先輩を刺せって言われたんです!」

 大声で叫んだ。

 杏は宣言に驚いたが、萌ではない別人が言ったようにしか思えず、ショックはなかった。

 放課後、杏が1人で歩いていると、萌が近付いてきて、

「これから萌の言うことを全部聞いてくれたら、先輩を刺せって言われたのは嘘でしたって言ってあげてもいいよ」

「断るわ」

 杏は即座に否定し、更に、

「そんなことをしたら、萌が大変な目に逢っちゃうわ」

「自分の立場も考えずに、萌の心配するの?」

「あなたは本当に……萌なの?」

「萌だよ」

 萌は妖しい微笑みで言いきった。

 杏はその言葉を信じられずに、背を向け歩き出した。

 

 翌日から、学校での杏への風当たりは強まり、机への落書き、ジャージを隠されたりすることは日常茶飯事であると同時に、杏が周囲を観察していくと、生徒たちが萌に支配されていっているのを感じた。

 生徒たちの多くが萌の顔色を窺い、教師ですら萌を窺うようになっていて、学校が萌を頂点としたダイヤ型のカースト制に出来上がっていた。

 ダイヤの底にいるのは勿論、自分だ。

 こんな高度な芸当を萌が出来るとは思えなかったが、いつも通り、教室の自分の席に座って時が過ぎ去るのを待ち、帰宅する日々が続いた。

 帰り道にセレクターバトルを挑まれ、初戦は負けたが、ジャンヌのアドバイスもあり、2回目では勝つことが出来た。

「ありがとう、ジャンヌ」

「どういたしまして」

 2人はセレクターとルリグではあったが、今では特別な友情で結ばれていた。

 杏は笑顔で、

「私、ジャンヌとずっと友達でいたい。それで、いつか萌に元に戻ってほしい。そうしたら、3人でたくさん遊びましょう。本当の萌とジャンヌはとっても仲良くなれると思う」

「ありがとう」

 ジャンヌがいつもの溶けかけの氷のような優しい笑みを浮かべた。

 

 翌日の放課後に演劇部の部室へ萌に呼び出された。

 

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