とりあえず、ペンと紙さえあればいい

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ライトノベル新人賞1次選考落選作の傾向まとめ

       落とし穴に落ちる人のイラスト

数年ぶりに、真面目に現代を舞台にしたバトルファンタジーを書こうと思い、設定を作り始めました。

目標があったほうが良いだろうということで、今回は新人賞の1次選考通過を目指し、何かの新人賞に応募したいと思っています。

過去に1次選考を通過しない作品を量産した過去を持つので、今回は慎重に進めています。

今は同じジャンルのライトノベルの他にライトノベル新人賞落選作品をネットで見つけて読んでいる最中です。

そこで、ライトノベルの新人賞落選作品の傾向がある程度分かったので、まとめようと思います。

ちなみに、今回の記事で書くケースは全て過去の私もしでかしていました。個人的経験から改善策みたいなものも掲載しておきます。

 

 

 

完結しない作品

一応、物語は完結していますが伏線など全く回収されておらず、続きを期待して下さいという終わり方の作品です。

続きにご期待という終わり方なので、主人公が戦って倒す相手も真の宿敵ではなくて、単なる事件のボスとかです。主人公は宿敵を倒すためにまた旅を続けるのであったというラストは、「宿敵倒してほしい……」とモヤモヤとした気持ちが残りました。

過去の私も同じことをしました。理由は新人賞受賞して売れて、続編を書くためにボスは残しておいた方がいいと思ったから。

続きにご期待というのは続きが確実に出ると分かっている作品だから出来るのですね。

新人賞を受賞して、バカ売れして、続巻が刊行され続けるという夢を見ていた過去の私はとんだ大馬鹿者。

ちなみに、大事な伏線なども回収しないで終わらせるため、1作辺り薄味に仕上がっている作品が多いのも特徴です。

改善策

伏線は全て物語中で回収し、きちんと完結させること。

夢を見たり欲を出さず、物語は物語、夢は夢、欲は欲ときちんと分けることです。

読者を意識した物語を作る時間の他に夢と野望を心の中で膨らませたり、読者のことは一切気にしない自分が楽しむだけの作品を作る時間を別々に作ると良いです。

 

 

 

推敲甘過ぎる作品

推敲が甘く、謎の言葉遣いが所々にあったり、誤字脱字、矛盾があったり……。

推敲も数をこなさなければ上手になりませんが、謎の言葉遣いのほうが気になり、ストーリーどころじゃなくなるパターンです。

改善策

推敲をきちんとやること。

やり方ですが、原稿を書きあげて数日から1ヶ月置きます。これは時間を置き、客観視出来るようになってからやるとミスや矛盾を見つけやすく効果的だからです。

ディスプレイで推敲をした後は同じく時間を置き、今度はプリントして改めて読み返します。

上記を納得出来るようになるまで繰り返します。

小説を書き始めた初めの頃は推敲も下手くそなので、てにをはや誤字脱字に注意するだけで構わないと思います。

個人的な経験では小説を書き始めた頃の推敲はそれが精一杯でした。

色々な作品を推敲していく内に、必要だったり不要な文章が見えてきます。

改善策2

分からない単語はきちんと調べる。

誤用をしてしまうのは、単語の意味をきちんと分かっていないからです。

分からない単語の意味を調べまくっていくと語彙力がつきます。

難しい単語は明治から昭和中期の小説を読めば大量に出てきますから、辞書片手に読むと良いです。

改善策3

小説を読む。

昨今は小説をあまり読まないと言う小説家もいますし、小説をあまり読まずに書く素人も多いらしいです。

これが示す通り、小説を読まなくても小説自体は書けます。現に、「本当は漫画家になりたかったけれど、なれなかったから小説家になった」という作家もいるみたいです。

しかし、小説を読んだり筆写したりしないと、小説の基礎や文体は身につかないと思います。

「すぐ他の人の影響を受けるから、小説は読まない」という人もいますが、私の経験から言えば、複数作家の小説を何冊も読めばそんなことはありません。

自分の文体が確立する前に、小説を少ししか読まない時期があり、その頃はすぐに読んだ小説の影響を受けていました。普段から読まない人がたまに読んだりするから、影響を受けるんだと思っています。

色々な人の影響を受けて最後に生まれるのが、自分の文体だと思います。

「物語は全ての作家が作り、その中で小説家の唯一の武器は文体である」と昔読んだ本に書いてありました。

それに、色々な作家の文体を知っておけば、作品の色ごとに、「この作品は重苦しいから○○先生風の文体みたいにしよう」とあえて変えることも出来ます。

 

 

 

 すぐ斬首する作品 

トルファンタジーでは剣で首をビュンと刎ねる描写が多いです。あと、頭潰れる奴。

プロの作品の影響なのでしょうが、お約束的なシーンです。私もたくさん書きました。これが基本形だと思っていました。

このようなシーンを書くのは個人の自由ですが、最近、たくさん読み過ぎて、「その剣そんなに切れ味いいのか?」「女のくせにどんだけ腕力持ってるんだ」と思いながら読んでしまいます。

 

 

 

冒頭部から説明がハンパない作品

冒頭部で、「これは素晴らしい作品です」「すごい作品です」「こんな世界です」と説明している作品。

その素晴らしさを、世界観を読むうちに感じたいから、今はバラさないでほしいと思います……。

改善策

設定や世界観の説明は工夫するしかないです。

映画ですが、『謝罪の王様』は冒頭部で設定を説明しているのですが、上手いなと思いました。

冒頭は謎を提示するといいと小説の書き方の本とかには書いてあります。

一例ですが、いつも傘をさしている女の子がいて、「あの子はどうしていつも傘をさしているのだろう」というのが謎です。

中盤辺りでその謎を明かし、それを元にクライマックスまで流れ込み、完結へと向かいます。

どういうことかというと、女の子が傘をさしているのは、女の子の陰から化け物が生まれるため、傘で女の子の影が隠れるようにしているということが判明。

その化け物をボコボコにして、エンドって言う感じです。「影が傘で全部隠れるわけねーだろ」とつっこみどころはいっぱいですが、例ということでお許しを。

これはストーリーのよくあるパターンの1つで、色々な作品で使われています。

この例では中編くらいの長さの作品が完成すると思いますが、長編にする場合は女の子の影から化け物が生まれると判明して化け物を倒した後、実は黒幕がいて、そいつを倒してエンドという風にします。

ただ、これだけでは新人賞応募には長さが足りないと思うので、テーマに沿ったエピソードをあと2つか3つつけ足せばいいでしょう。

人によると思いますが、序盤・中盤・クライマックスと3つの山場を用意するように心がけると、新人賞に応募出来るくらいのボリュームの作品になると思います。

 

 

 

視点が移動しちゃう作品

1人称だと思ったら3人称になっちゃう。次から次へ人物が切り替わっちゃうというパターン。

私も過去に多視点の小説に触発されてやりましたが、今思えば間違いだったと思います。

基本的に小説は文字しか情報がなく、読者が想像力を働かせながら読みます。そのため、1人の人物に感情移入して物語に入りこんだ気持ちになりやすいです。

視点や人称が変わると読者は現実に引き戻され、また新しい人物に感情移入をし直さなければいけなくなります。

つまり、読む流れが切れてしまう。読者は折角、物語に入りこんで良い気分だったのに、もう一度、物語に入り直さなきゃいけないので、やらないほうがいいとされているのです。

視点移動が上手な作家もいますが、多視点描写は成功することが難しい高等テクニックです。

改善策

1視点にしてしまう。

私が読んだ作品と過去に書いた作品の多くが多視点にする意味が感じられませんでした。

複数の視点から事件や物語を追うことで真相が見えてくるとかなら多視点の意味があると思いますが、別に主人公1人だけの視点でも物語の真相が充分に分かることが多いです。

改善策2

どうすればうまくいくのか研究する。

ライトノベルでは『ブギーポップ』を読めば研究になると思います。

 

 

 

既存作品から影響受け過ぎ作品

読んでいると、既存作家や既存の作品が思い浮かんできて仕方なくなるタイプです。

小説を書き始めた人の作品に多いですが、まだ書いた数が少ないので仕方ないと思います。ちなみに、私の初期段階は西尾維新一色でした。

この段階の人はテクニックがうんぬんなどではなく、小説を読み、設定を作り、書きあげることが重要だと思います。

それと、並行して語彙数を増やしたり表現力をつける勉強をしたり、漫画や映画、アニメ、小説を見てとにかく引き出しを増やす時期でしょう。

 

 

 

作り込みが足りない作品

作り込みが足りないために、「その設定必要?」「その設定、本当なの?」などツッコまずにはいられない作品です。

小説を書いて日が浅くて、作り方が良く分かっていない場合もあれば手抜きしてしまい、作り込みが足りなくなることもあります。

これ、私は人から設定とかのツッコミをどんどんもらってようやく、自分の設定にツッコめるようになりました。

改善策

信頼出来る中辛批評が出来る人に感想をもらうと良いですよ。

ツッコミをもらう前の状態だと、自分の欠点に気付かないためにかなり自信がある状態になっていることが多いと思います。

その状態で批評もらうと、たとえ甘口でも少しでもツッコまれたら落ち込みます。

辛口批評だととても落ち込むので、中辛レベルの人を見つけるのがコツです。

そのあとはきちんと作り込むこと。小説を書いて日が浅い人はまずは小説を書き続けることだと思います。

ツッコまれるのも一種の慣れです。

 

 

 

日記みたい作品

あまりにもストーリーが平坦過ぎるのが原因です。

一例としては、「敵がいました、戦いました。→情報屋から話を聞いて、ラスボスのところに行きました→倒しました」

こういう作品です。正直、ドキュメントみたいな流れです。

間にダラダラとした無意味な会話シーンを入れてみたり。

小説への情熱が落ちた時期、私も慣れもあったのかこんな感じのストーリーを作り、ダラダラとした会話シーンで原稿用紙を埋めていました。この時期の私は始末が悪いことに小説の書き方にも多少慣れ、物語の作り方の本も読み、しっかりとエンターテインメントな物語を作った気になっていたことです。

ちょっとずれている状態と言えるかもしれません。

原因は読者をきちんと意識出来ていないこととストーリーの作り方をきちんと分かっていないから。

改善策

誰かから辛口の感想をもらうことかもしれません。

読者がどこを見るかが分かりますし、「なら、次はこうしてやろう!」と試行錯誤する気持ちになりますから。

私は1人だけ結構辛口な感想をくれた方がいて、その人に、「次こそツッコまれないように。面白く感じさせたい」と思って作るようになりました。

読者をきちんと意識した瞬間ですが、これが出来るようになったら、やっぱり変わります。

ストーリーなどテクニックはあるのですが、読者を意識出来ないと空回りします。

読者をきちんと意識することが出来ると、「最初は読者にこの設定を信じ込ませて、途中、この設定は嘘だということを明かして読者を驚かせよう」と計算することが出来ます。

 改善策2

 テーマを意識する。

テーマとは無関係なエピソードは全部削ります。テーマが決まれば、どんなエピソードが必要かも分かります。

私はこのテーマを意識するということが分かるまで何年もかかりました。

それまでは分かっていた気になっていただけでした。

必要なエピソードだけで物語を作ったけれど、応募用規定枚数に届かないという場合は規定枚数分の必要なエピソードが思いつくまで頑張ります。

 

 

 

まとめ

ライトノベルに限らず、どの新人賞応募用の長編小説も設定とかを作るのは大変ですよね。

一生懸命作ったつもりなんだけれど、結果的にページを埋めるためのダラダラとした不要なエピソードを入れてしまったりしてしまうこともありますし。 

自分では満足した出来のつもりでも第三者から見ると全然作り込みが足りなかったり、自己満足に走っているようにしか見えなかったり……。

そういうことに気付くには、やっぱり第三者から感想をもらうのが一番早いんじゃないかなと、今回、ライトノベル新人賞の落選作をいくつか読みながら思いました。

手っ取り早く感想をもらうには身近な人に読んでもらうことですが、身近な人に読ませるのって勇気がいりますから、とてもじゃないですが出来ません……。お金を払えば読んでくれる人はいますが……。

小説家になろう』で公募応募用や落選作とタグ付けして投稿すると激辛な感想をもらうこともあるようですが、そこまでの覚悟もありませんし、そういうのをもらったらマジで心折れるくらいにへこむし怒りで頭が沸騰しそうになる自信があります……。

公募応募用や落選作とタグ付けをする時は甘めの感想が来ることを祈りましょう。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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